メディアコミュニケーション学部
マス・コミュニケーション学科
マス・コミュニケーション学科 教授
修士(文学)
英文学を専攻して、マス・コミュニケーション学科に所属する現在では、ひとつは表現文化、なかでも近頃はアニメやマンガの授業、もうひとつとして英語の授業をしています。
表現文化がどのように役に立つのか。
人間が生きていく指針として、科学的に真実を突き詰めていくことと、根拠なく何かを信仰することとの中間に、美と崇高によって啓蒙される一面があると考えています。崇高とは、美しくはないが「すごい」という感情のことです。芸術などを見たり聞いたりして「これはすごい!」と感じて、それで自分が少し変わることってありますよね。
理系の学問体系にとらえきれない文科系の学問のあり方も知る。もちろん理系も大事ですが。
もし言語が理系の学問的に解析されつくせるならば、自動翻訳はとっくに完璧に完成しています!
コンピューターでは解析しきれない言語の謎が、文科系学問が扱うことです。学ぶべきことって、理系だけではないんです。
英語の授業でリーディングをするとき、文脈から知らない単語や熟語の意味を推察する力をつけるにはどう学習すれば効果的か。英語ができるようになりたいが、自分は絶対にできるようにならないと自分の「キャラ」として決めつけている人がいます。単語の暗記だけでは英語ができるようになりません。基本的な英文法をどう実際のリーディングに活用するか。初心に帰って自分に合うメソッドで学んでみましょう。
表現文化を通じて現実認識が変わることのひとつとして、コメディで表現される不条理さを笑うことで、世の中の理不尽さを体感して、現実に対応できるようになることがあるのではないか、と考えていて、具体的に作品を読み解いています。
ほかには、アニメなどで「日常系」と言われますが、現実世界の日常と全然違いますよね。なぜあれが「日常」だと認識されているのか。「なろう系」は多世界解釈という考え方が元になっていますが、その現実離れした考え方によって現実認識に近づいているのではないか。
ポピュラーカルチャー論、表象文化論、現代マンガ文化論、マスコミ学基礎、マスコミ学応用、マス・コミュニケーション演習、マス・コミュニケーション実習、マスコミ総合科目A、マスコミ総合科目B、マスコミ総合科目C、専門ゼミナール、卒業研究
アニメ。日本のアニメはどれも同じに見える人がいます。しかし、たとえばクラシック音楽は、普通の人にとっては誰が演奏しても同じ曲は同じに聴こえますが、指揮者や演奏者によって細部が違い、クラシックマニアはそこを楽しみます。古典落語も観客は前もってあらすじを知っていて、演じる者の演じ方の個性を楽しむものです。アニメも一見同じようですが、ギャグがシリアスになったりとコンテクスト転換が激しく、ベタなキャラやストーリー展開であっても細部は異なるのです。偉い人にはそれがわからんのですよ。