江戸川大学では、3年次に所属したゼミナールで専門研究を行い、4年次には卒業論文を執筆します。各ゼミの指導教員は卒業論文のうち優秀な論文を優秀論文として推薦します。優秀論文発表会では、優秀論文を執筆した学生がプレゼンテーションを行います。

2024年度 優秀論文

「明文化できない美の追求 ボディビル審査基準を巡る考察」畑岡 峻介さん

<論文の概要>
スポーツのルールという観点からボディビルの分析を試みた。人文社会学の分野では、男性性や「のめりこみ」など競技者に焦点を当てた先行研究が多い。本論文は競技としてのボディビルに着目し、審査基準の文言があいまいでありながら競技スポーツとして成り立つ理由を説明した。フィギュアスケートや体操など他の採点競技との比較から、身体を作品として評価するボディビルの特殊性を明らかにし、盆栽や書道展の審査基準にまで対象を広げ、あいまいな文言の有効性を示した。

<評価のポイント>
他競技や芸術ジャンルとの比較だけでなく、大会に赴いて審査基準のあいまいな文言が持つ普遍性を実証しようとしたことは高く評価できる。ボディビルの知識がない3人の採点結果が、大会結果と一定の一致を見たのは、非常に興味深い。3人という人数は十分なサンプルとは言えないが、平均20余人が立つステージから6人を選抜する予選において高い確率で一致したことには説得力があった。

「明文化できない美の追求 ボディビル審査基準を巡る考察」要約

「応援広告の多様化がもたらす効果と話題性」間島 知優さん

<論文の概要>
韓国、日本でのオーディション番組をきっかけに、「推し」のためにファンが出資して掲出する「応援広告」が徐々に広まってきている。最近ではアーティストやファンを巻き込んだイベント型の応援広告も現れてきた。韓国発のファン文化が、どのようにして日本に根付き、独自の進化を遂げたのか調査、研究をおこない、応援広告の事例を取り上げた。今後の応援広告のあり方についても考え、事務所、ファン、広告会社それぞれの視点から考察した。

<評価のポイント>
仮説はやや不明確だったが、先行研究がほぼ無いなか、自力で調べ上げている点を高く評価した。応援広告の認知度についてのアンケート調査を実施。また、広告代理店の代表者と応援広告の企画・運営をおこなっているファンダムの代表へ独自に取材している。インタビューに頼り過ぎずに、適度な情報量を掲載している点も好感を持った。

「応援広告の多様化がもたらす効果と話題性」要約

「マーケティング・コミュニケーションとしてのカプセルトイ ~実際に存在する製品のカプセル玩具が当該製品に及ぼすプロモーション効果の検討~」前北 彩妃さん

<論文の概要>
本論文は、カプセルトイが広告を使用せずに市場規模を拡大している点に着目し、広告メディアとしての可能性を検討した。市場分析を通じて、カプセルトイの特性や販売戦略を明らかにし、事例研究では観光PRや企業コラボ商品の成功例を分析。結果として、カプセルトイは消費者の関心を引く広告メディアとして機能し、ブランド価値向上に寄与することが示された。カプセルトイを広告として活用するために必要な要素をまとめ、今後はデジタル技術やサステナビリティを取り入れた展開が求められると考察した。

<評価のポイント>
「カプセルトイを広告メディアとして分析する」という論拠はやや不明確だったが、着眼点がユニークで、マーケティングの各種手法で分析していた点を高く評価した。また、問題提起および結論の導き方が鮮やかで、「背景紹介→仮説→ケーススタディ→結論→今後の課題」という論文の構成もしっかり整っていた。

「マーケティング・コミュニケーションとしてのカプセルトイ ~実際に存在する製品のカプセル玩具が当該製品に及ぼすプロモーション効果の検討~」要約