特に興味を持って取り組んだものは、以前から関心のあった社会心理学の授業です。社会心理学で扱うテーマは、心理学の中でも特に人の心理や行動に対する対人関係や環境による影響に焦点を当てているため、私たちの生活と密接に関係し、汎用性が高い分野です。そのため、今まで感覚的に捉えていた心理や行動のプロセスを論理的に説明することができるようになります。社会心理学の授業で得た知識を日常生活に意識的に落とし込んでみると、いつもと違う視点で物事を感じたり考えたりすることができる、刺激的かつ魅力的な分野だと感じています。
心理学において、特に実験などでは「客観的な視点」を持つことが大変重要になってきますが、同時に難しい点でもあります。実験などでデータが得られたときに、データを主観的に都合よく解釈してはいけません。データが表していることを正確に捉える必要があります。簡単なことのように思えるかもしれませんが、レポート課題などでいざ経験してみると、難しく感じると思います。また、レポートでは客観的事実を踏まえ、どんなことが考えられるかを推論することもあるのですが(考察)、個人的には一番難易度が高く感じました。
論文に触れる機会が多くあることにより、高い論理的思考力が身につく点です。人間心理学科では、基礎ゼミナール・専門ゼミナールをはじめとした授業内で、自分自身で論文を探し、読み、「問い」を把握し「原因や結果」を正確に理解するという一連の流れを数多く熟す必要があります。そのなかで自然と鍛えられるのが論理的思考だと感じています。私を含め多くの学生が初めは一つの論文を読み切るのが精一杯です。しかし、人間心理学科の先生方は,意欲的に授業に取り組んでいる学生には親身になって対応してくださいますので、心配することはありません。3年生になった現在では、ある程度の分量の論文を要約し、プレゼンテーションできるようになりました。発表に対する質問にスムーズに返答できたときには、まさに「論理的思考力」の成長を感じました。
4年生で行う卒業研究に向けて、自分の興味のある分野から論文を選び発表し、意見交換をする授業は良い刺激になっています。他の学生からの意見は自分には無かった新しい視点を得るきっかけになりますし、質問に回答することで自分自身の論文に対する理解が深まったり、上手く回答できたときには良い自信になったりもします。最後に総括として、先生が重要な点や皆の意見をまとめ明確にしてくださるので、次の学びに繋げやすいという点も魅力だと思います。
専門ゼミナールの授業内で行った卒業研究の構想発表では,「感謝による向社会的行動への影響」をテーマにしました。実際の卒業研究も方向性は変えない予定です。
社会学部人間心理学科3年
N.N.さん
(2022年3月取材)