vol. 107 2019年9月17日

社会の課題を捉える卒業研究と心理学について

卒業研究テーマ「同性愛に対する顕在的態度と潜在的態度の性差」を選ばれた理由を教えてください。

海外でのLGBT社会運動のニュースがきっかけで、日本でのLGBTの現状に興味を持ちました。実際に同性婚を認める国は増加傾向にあり、日本は他の先進国と比較してLGBTについての理解や制度が発展途上であると感じました。
同性愛者に対する差別・偏見の論文が多々見受けられたのですが、どの研究も社会的望ましさが影響されやすい質問紙による顕在的態度のみを検討しており、差別・偏見を取り扱っているにも関わらず、潜在的態度に関する研究はありませんでした。そこで、作業課題を用いて潜在的態度を測るテストと、従来の質問紙による調査を実施し、得られたデータを比較検討しました。

研究・論文執筆に参考になったものや支えになったものはありますか?

先輩たちの卒論や発表の資料です。卒論の進め方は山本先生にご指導いただいていたのですが、フォーマットや細かい表現などは先輩のものを参考にさせていただきました。

4年間の学習を振り返ってみて人間心理学科の魅力は何ですか。

4年間いろいろな授業を受けてきましたが、どの先生方もわかりやすく丁寧にご指導していただきました。授業以外でも気さくに声をかけてくださり、先生同士も仲が良く、全体的に和やかな雰囲気は魅力の一つです。

これまでの学習や経験を、今後どのように生かしていきたいですか。

江戸川大学で心理学を学び、「こころ」への理解が深められました。もちろんまだまだ未熟ですが、授業や実験を通して「こころ」と身体の繋がりや、病理などを学び「こころ」に対する多角的な見方ができるようになりました。就職先は心理学の領域とは程遠いIT系ですが、自分や他の人の「こころ」に触れた際に、ステレオタイプな考え方ではなく、理解を深められるようになりたいと思います。

社会学部 人間心理学科
(2019年3月卒業)

T.Y.さん

(2019年2月取材)