松田 稔樹

情報文化学科 特任教授
博士(学術)

東京工業大学の理学部情報科学科、大学院システム科学専攻で、「数理・データサイエンス」「人工知能」「システム設計」などを学びつつ、教員になることを目指して教育工学の研究をしていました。縁があってそのまま東京工業大学の教職課程担当教員になり、同時に教育工学研究を希望する卒論・修論・博論の学生さんを指導してきました。その間、文部科学省で情報科を創設する仕事や、中学校技術・家庭科の教科書執筆なども経験しました。

研究分野:教育学、科学教育・教育工学、教科教育学
専門分野:カリキュラム・教授法開発、教授学習支援システム、情報教育、教師教育、学校教育、教育政策


工学は問題解決の学問、あるいは、設計の学問と言われます。そして、○○工学と言えば、○○の問題を解決したり、それに役立つシステムや方法を設計する学問と捉えられることが多いです。しかし、工学が解決するのは世の中のあらゆる問題であり、その手段として教育を用いるのが教育工学だと捉えることもできます。これをNeo教育工学と呼び、取り組んでいます。教育は社会状況に応じて変える必要がありますが、社会を変える力も持っているからです。

専門分野の魅力・学ぶ上で大事なこと


情報技術が進歩して、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの技術が開発されています。しかし、リアリティは外から与えられるものだと考えるのは間違いです。リアリティは、自分で感じるものであり、心の問題です。勉強も学問も、それ自身は面白いとも、面白くないとも言いようがありません。それを面白いと思えるかどうかが重要です。そのためには、目標を持ち、そのために、今、勉強していることを役立てられないか、と常に考えることが大事です。

研究テーマ


  • 「縦糸・横糸モデル」に基づく問題解決力の育成やそれを支援するゲーミング教材ならびにe-portfolioシステムの開発
  • 「新逆向き設計」手法による学校教育カリキュラムの改革
  • 教師教育のための授業設計訓練システムや模擬授業ゲームの開発

最近の研究活動


「縦糸・横糸モデル」は、学校で学習する知識や見方・考え方をさまざまな問題解決に活用できる人は、どのように学習成果を頭の中で整理しているか、をモデル化したものです。ただ、学校の勉強が入試のため(専門家になるため)の勉強になってしまっていると、成果を活用する以前に修得することも難しいです。それを見直す手法が「新逆向き設計」です。そういう授業を設計できる教員を育てるために、コンピュータ上で授業設計や模擬授業ができるシステムも開発しています。

担当科目


教育学概論、教育制度論、教育制度論(初等)、情報科教育法I、情報科教育法II、教職実践演習(中・高)

趣味


趣味とは、ストレスを感じることなく楽しくやれることだと思えば、仕事が趣味であると感じられることは、幸運な仕事につけたということでしょう。プロのスポーツ選手や芸術家が、趣味や遊びから仕事になった途端に、つらくてやめたくなったという話はよく聞きます。それでも踏みとどまれた人は、もう一度、その楽しさを思い出したからだと聞きます。もちろん、それでもスランプはありますから、私の場合は、料理や旅行で気分転換しています。