2年生から現在に至るまで、清野先生の「佐渡市宿根木集落活性化研修」に参加しております。研修を通して、観光を取り巻く様々な考え方や用語を学びました。「関係人口」が特に印象に残っています。少子化や都市部への人口集中によって、地方の人口は減少し、同時に超高齢化社会になっています。集落の文化や自然を後継者に残すことができず、衰退していくという問題を解決する方法として、関係人口の存在があることを学びました。その定義や仕組みを学んだ上で、既に多く訪れる宿根木の観光客を、いかに関係人口として呼び込むかということについて、住民の方々と協同して取り組む貴重な経験でした。現在、関係人口について卒業論文のテーマとして扱い、いかに地域に還元できるかを研究しております。
1年生終わり頃より、学生リーダーという学内組織に所属しております。中でも3年生になった4月のガイダンス運営のお手伝いが、最も成長したと感じる時期です。大学について分からないことの多い新入生をエスコートするというのは、非常に細やかな気配りと仲間たちとの周到な準備を必要とされる、簡単そうで難しいことです。「学生生活アラカルト」での発表は、プレゼンテーションの技術を深められ、同時に企画することの難しさを学びました。履修相談室の運営では、『来てよかった』と満足してもらえるよう、相手(新入生)の立場となって、何が難しいと感じるのかと予め予測した上で、準備するというおもてなしの精神と危機予測を学びました。内容こそ違えども、どれも今後の仕事で求められるスキルであったと思います。学生リーダーの活動を通して、社会人としての心構えのようなものを高められました。
観光業に携わりたいという目標を持って、現代社会学科の門を叩きました。入学当初の観光業のイメージは、いわゆる旅行会社の立場で考えた、どこか華々しさのあるイメージでした。「観光学・地域再生コース」での清野先生や崎本先生といった先生方の授業やフィールドワーク(現地調査)を通して、あらゆる立場の多くの人々が関わり合い、絶え間ない努力あっての華々しさのある観光だと身をもって知りました。学びの中で「観光まちづくり」の考え方に特に興味を持ち、観光の持つ大きな力で地域を元気にするような仕事に従事したいと考えるようになりました。学科での学びや先生方との他愛もない会話で得たヒントを元に、自分でも町々を訪れ、見学をしたり、お話を伺ったりして見聞をより深められ、結果として旅行会社に内定を頂きました。社会は常に変わっていき、現地の生の様子を見たり、生の声を聞いたりするフィールドワーク(現地調査)を、入社後もフルに活用したいと思います。
先輩方から就職活動についての情報を伺ったことが印象に残っています。就職活動の進め方や心構えといったことを中心に伺い、準備を深めることができました。
その先輩方と私を繋いで頂いたのが崎本先生でした。先輩方だけでなく、内定先の方との接点も設けて下さりました。どのようなことに従事しているかを中心に、普通の就職活動では知り得ないディープなところまで伺うことができ、先生の人脈の広さによる賜物です。また、ご自身の経験も踏まえながら、「観光業に携わる」という目標を持つ私が、どの業界に就くのが良いかとあらゆる知見からアドバイスを下さいました。
「会って話す」ということを大切にしたいと思います。メールや電話、ネット社会となった今ではSNSもありますが、どれでも無く実際にお会いすることが重要だと学びました。こちらの考えていることを余すことなく伝えられたり、相手の話していることについて深く聞くことができたりと、メリットが多いと痛感しました。また、相手との会話のレベルを深める為にも、歴史や文化といったその地域の情報を予め調べた上で、訪問することも重要だと学び、添乗業務や営業業務といった仕事で活かしたいと思います。
旅行を通じて、同じような経験とその経験をしたことによる感動を広く伝えていくことが目標です。学生時代、旅行や自転車、鉄道などの趣味に興じておりました。その中で、その趣味で語り合える「仲間」の存在の素晴らしさを痛感することが多々ありました。語り合う中で、新しく知ることがあったり、逆にこちらが教えて喜ばれることがあったりと、仲間がいるという安心感と共により深い楽しさを経験しました。
世の中の旅行に対する価値観も、そこでの体験といった物語性や時間の演出に重きを置いたものへと変化しております。旅行者のニーズを汲み取りながら、時間をコーディネートしていきたいと思います。
社会学部 現代社会学科
(2020年3月卒業)
H.T.さん
(2020年1月取材)