vol. 233 2025年3月14日

臨床心理学分野に興味を持ち、睡眠教育を研究

臨床心理学分野への興味を強めるきっかけになった科目は?

4年次に開講される心理実習です。特に、福祉分野や医療分野での実習において、臨床心理学分野への興味が強まったと感じています。実習中には不安や緊張感を伴う場面も多くあった反面、実践的な知識を身につけることができたという充実感がありました。心理実習は夏季休業期間や休日に行われることがあったため、身体的にも疲労感を強く感じましたが、実習の終了時には大きな達成感が得られ、自身の進路を明確に意識することにも繋がったと感じています。

臨床心理学分野ならではのおもしろさ・魅力について

他の分野に比べ、臨床家としての心理職を目指す上で必要となる知識が学べる点です。人間心理学科では、心理に関する幅広い領域を学べますが、年次が進むにつれて、各領域について深堀りするような専門的な内容の講義も開講されます。その中でも、臨床心理学分野では、人のこころの問題や不適応行動に対する支援および予防、研究など、臨床的な支援を担う専門家になることを志す人にとって重要な知識について学ぶことができ、この点が臨床心理学分野ならではの魅力であると感じています。

「専門ゼミナール」(山本隆一郎先生)について

専門ゼミナールでの取り組みでは、卒業論文の作成に向けての取り組みが印象的でした。卒業論文は、これまでの学部における学びの集大成であり、大学生活の中でも特に注力した課題でした。執筆に際しては、研究テーマの決定をはじめとして、難航する場面も多くありました。しかし、専門ゼミナールの山本先生をはじめとする人間心理学科の諸先生方からの手厚いサポートもあり、最終的には満足のいくものを作成することができました。また、自身の興味や関心に基づき研究を行うという体験は興味深くもあり、進路についての考え方にも影響する有意義な時間であったと感じています。

卒業研究のテーマについて

「睡眠教育」です。睡眠教育とは、子どもの睡眠問題を改善するための取り組みで、近年注目されている心理教育的アプローチの1つです。しかし、その効果については不明点も多くあります。そこで私はまず、児童・生徒を対象とした睡眠教育が睡眠時間や睡眠習慣に及ぼす影響を検討した研究を系統的に抽出し、定量的に統合を試みました。そして、睡眠時間や睡眠習慣に対して高い効果量を示した研究を抽出するとともに、その特徴を考察し、定性的に統合することを目的としたシステマティックレビューおよびメタ分析を行いました。

社会学部人間心理学科4年

K.R.さん

(2024年12月取材)