2025.03.31
社会学部人間心理学科の石橋美香子講師(専門分野:発達心理学)の著書『なぜ子どもはミニカーに乗ろうとするのか―スケールエラーからみる幼児期の物体認識の発達心理学―』(ナカニシヤ出版)が、3月30日(日)に出版されました。
■石橋講師のコメント
本書は、幼児期にみられる「スケールエラー」現象の研究成果を主にまとめたものになります。スケールエラーとは、幼児が自分の身体に明らかに適さない物体に、無理やり自分の身体をあてはめようとする行動のことです。例えば、2歳の子どもがミニカーに一生懸命に乗り込もうとするといった行動です。モノを理解し、そのモノに応じたふるまいをすることは、子どもにとっては時にチャレンジングなことだったりします。幼児期にみられるスケールエラーは、子ども特有のモノの認識の仕方が、様々な認知能力との重なりをもってダイナミックに発達していくということを、私たちに考えさせてくれる興味深い現象だと思います。
本書の「はじめに」に書かれているように、スケールエラー現象から「子どもが見ている世界」をちょっとでものぞいて見ていただき、子どもの発達に関心をもっていただけると幸いに思います。なお、本書は令和6年度江戸川大学学術図書出版助成により出版をすることができました。また、本書の表紙ならびに挿絵は、石橋ゼミの林美優さん(2023年度卒)と一ノ瀬朱花さん(2024年度卒)に描いていただきました。ここに記してお礼申し上げます。
※江戸川大学石橋研究室では、学術調査に参加いただける1歳から3歳未満のお子様とその保護者を募集しています。
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