西村 律子

人間心理学科 准教授
博士(学術)

自然豊かな岐阜県で生まれ、2017年に江戸川大学に着任するまでずっと岐阜県と愛知県で過ごしておりました。愛知淑徳大学コミュニケーション研究科にて学位を取得し、科学技術振興機構ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクトにて研究員として、伝統芸能における情動表現について研究しておりました。その後、卒業大学である愛知淑徳大学心理学部で講師として心理学教育に携わった後、江戸川大学に移ってまいりました。江戸川大学は都心から近いにもかかわらず、とても自然豊かでゆったりとした時間が流れています。そのような素晴らしい環境で、皆さんと時間をともにできることを楽しみにしています。

研究分野:心理学
専門分野:実験心理学


「心理学」とは「人間って何なんだ?」を様々な側面から追及する学問です。中でも実験心理学では、その名の通り「実験」を行うことで、人間の性質に迫ります。具体的には、いくつかの条件を設定し課題を行ってもらい(記憶テストやボタン押し反応など)、条件の違いによってヒトの反応(記憶テストの成績や、ボタン押しの速さなど)が変化するかどうかを検討します。ヒトの反応が変化した!ならば,その条件によって、私たちの体や脳の内部で何かしらの変化が生じたということです。条件を注意深く設定することで、直接目には見えないヒトの性質を追求することができます。

専門分野の魅力・学ぶ上で大事なこと


魅力は、なんといっても、直接目では見ることができないヒトの性質を、課題の成績や、反応時間といったシンプルな「ものさし」で明らかにできることです。しかしそのためには、どんな実験を行えば、自分が知りたいヒトの性質を明らかにすることができるだろうか?ということを、考え抜く力が必要です。また、ヒトの性質を明らかにしようと考えているのもヒトであることを忘れてはなりません。独りよがりな考えは、科学とは言えません。そのために、過去に明らかにされた多くの知見を学び、得られた行動データを歪みなく、客観的に見つめる姿勢を持つことが非常に大切です。

研究テーマ


認知心理学が専門です。その中でも「注意」の研究を主に行ってきました。私たちは日々膨大な情報を受け取りながら生活を送っています。それらの情報の中から、今自分に必要な、あるいは重要な情報だけを選び出して処理をしています。この働きが、注意の働きの一つです。この働きがあるおかげで私たちは膨大な情報が飛び交う世の中をスムーズに、かつ、正確に生きていくことができます。この注意機能が、どのような性質を持つのか、特にどのような状況でうまく働くか、ということを実験によって検討しています。

最近の研究活動


私たちの認知機能はストレスや加齢に伴い機能低下することが明らかになっています。しかし、ストレスや加齢は私たちの人生から取り除くことは不可能です。したがって、ストレスや加齢といった状況にあっても認知機能を低下させず維持させるにはどうしたらよいか、ということに興味があります。様々な側面から,認知機能を維持させる方法が考えられ、それらの方法が認知機能維持に効果があるのか、また効果があるならば、なぜ効果があるのかを実験により検討しています。

担当科目


知覚・認知心理学、心理学研究法、心理学統計法、人間心理学基礎、心理学実験、人間心理学特殊講義、基礎ゼミナール、基礎ゼミナールⅡ、専門ゼミナールI、卒業研究

趣味


芸術や美術に触れることが大好きです。自らも絵筆をとることもありますし、もちろん美術館や博物館、舞台、コンサート等に行くことも大好きです。また、歌舞伎や能が大好きで、特に学生の頃(岐阜県在住時)は、東京に来る機会があるたびに歌舞伎座の一幕見席(学生証があると当時は500円程度で観劇できました)に通い、感動して号泣していたことを思い出します。素晴らしい作品や舞台を生で味わい、感動することは、私の人生を潤してくれる一つで、今でもそういった時間をとても大事にしています。その他ここに書ききれない趣味もいっぱいあります!それらは、機会があれば直接お話していきますね。