社会学部
人間心理学科
社会心理学における調査方法を実践的に学ぶ、長峯聖人先生の授業。適切なデータの収集と分析の方法を身につけていく。
社会心理学では、他者・集団・規範・慣習などの関わり合いに伴う多様な社会的行動が、どのようにして生じているのかを探究します。そこから得られる知識は、人間関係や集団心理に対する理解を深めるとともに、良好な対人関係を導き、組織や集団への適応を促す礎となるでしょう。その研究範囲は多岐にわたりますが、主として、①対人認知や原因帰属など、自分や他者、社会的事象を理解・判断するしくみを探究する「個人レベル」を扱った研究、②攻撃や援助など社会的文脈の中で、個人が特定の他者に対してとる行動を対象とする「対人レベル」の研究、③集団内での個人の行動とその一般的法則を解明する「集団レベル」の研究、④流行や流言など不特定多数が影響し合うことで生じる現象の生起過程を対象とする「社会レベル」の研究の4つに分類することができます。
科目例①
社会心理学調査演習社会心理学では、調査や実験を行って得た客観的事実(データ)に基づいて、私たちの社会的行動のしくみを探究します。この演習では調査法に焦点を当て、その基本的手法を学んだ後、調査を企画・実施し、その結果を統計ソフト(SPSS等)を用いて集計・分析し、レポートにまとめます。調査にかかわる一連のプロセスを実践しながら学び、専門的な学修と研究に活用するための知識とスキルを身につけます。
科目例②
社会心理学Ⅰ・II私たちの認知・感情・行動は、他者の存在や他者からの働きかけによってさまざまな影響を受けます。そして、2人以上の人が互いに影響を与え合うと、1人の時には見られない競争・協力・援助・攻撃などの現象が生じるとともに、集団やリーダーシップなどの関係が構築されます。本科目では、これらの社会的行動がどのようなプロセスを経て生起するのかを、具体例を通して分かりやすく紐解いていきます。
研究例①
個人と社会の出会う場所人はどのような時に自分らしさや居心地のよさを感じるのでしょうか。その一例として考えられているのが、自分自身のアイデンティティと社会的役割が合致するような経験をした時です。個人の内面が社会と交わることで自分自身の捉え方が変わり、その捉え方の違いは個人の外界のものに対する見方も左右します。社会心理学では、こうした個人と社会との接点から人間理解を深めるような研究が多く行われています。
研究例②
他者との関わりと感情感情は日常のあらゆる場面で生じます。感情には特定の原因がありますが、多くの感情は社会的場面、つまり他者がいる場面で生じます。そうした感情は時に心地よいものだったり、苦しいものだったり、あるいはそれらが混ざったものだったりします。社会心理学では、感情が他者との関わりの中でどのように生じ、そして対人関係や集団関係へどのように影響するのかについても研究しています。
Student Voice
社会心理学の研究範囲は私たちの生活のあらゆる場面におよんでいて、その内容を学ぶことで対人関係をより良いものにしていけると思います。また私たちがふだん経験的に理解していることを、理論を用いて誰もが納得できるように説明しているところが魅力であり、おもしろさでもあると思います。