vol. 4 2015年4月1日

思い出の旅を一緒につくる、鉄道乗務員を目指して。

美しい景色を車窓から眺め、その土地ならではの味を楽しみ、地元の人々と言葉を交わす。鉄道を乗り継いで全国を旅して回った中野さんは、その先々で忘れられない経験と出会いを重ねてきた。「旅を通して、活気ある地域だけでなく、過疎化が進んでしまったところも数多く見てきました。そうした経験から、“ローカル”と呼ばれる地域に対する興味と疑問が生まれ、鈴木先生のゼミで学ぶことを決めました。地域・地方の新しい魅力を発見し、問題を見つめなおすきっかけになる場所だと思ったからです」
鈴木先生が担当する講義「観光まちづくり論」や「地域経営論」で触発され、ゼミ合宿では全国の“まちづくり”の現場を体験。鈴木先生が主宰し社会人も参加する地域研究会の「ローカルデザイン研究会」にも携わるなど、経験を重ねて地域に向ける目を養った中野さん。自らの目で捉え、肌で捉えた記憶が、やがて「駅を中心とした地域活性化の方法を探る」という卒業論文のテーマに結びついていった。「北海道の過疎化や低調な鉄道利用状況がずっと気になっていたのですが、旅先で見てきたいくつもの“魅力ある駅”の要素を整理・分析し、その結果を応用することで、北海道の地域活性化につなげられるのではと考えたんです」
旅が、4年間の学びを完成させた。卒業後の目標を支えたのも、ひとり旅での経験だった。「乗務員の心づかいが、旅をさらに良いものにしてくれることを私は知っています。今後は、私自身がお客さまとともにある乗務員となって、思い出の旅をつくるお手伝いをしたいと思っています」

社会学部 現代社会学科 2014年3月卒業

N.S.さん

北海道旅客鉄道(株) 内定

 

(2013年度在学時取材)