幼少のころから自然や生物が好きでした。高校3年生のとき(2004年)に環境問題(リサイクルや地球温暖化、自然保護など)の授業を受けて関心をもったのです。江戸川大学に決めたのは、パンフレットに掲載されていた吉田先生の生態学という分野に惹かれたからです。
流山市における都市化による鳥類相の変化について研究していました。森林面積に応じて野鳥の種数に変化があるかどうかを調査した結果、森林の大きさに比例して鳥の種数が多くなることが明らかになったのです。私の卒業研究のテーマでしたが、調査を更に継続し、吉田先生と後輩との共著として千葉県生物多様性センターに論文を投稿しました(センターの雑誌に掲載されています)。
エコネット(当時の名称は「環境エコロジカルネットワーク愛好会」)の初期のメンバーで、2階に水槽を置きました(学務課に許可をもらって)。エコネットは1年生の時に有志ではじめ、2年生の時に愛好会になりました。生き物好きの集まりで、活動としては、大堀川で淡水魚などの調査、生き物(魚・ヘビ・カエル・昆虫など)の飼育、大学周辺のゴミ拾い、大学構内のゴミの分別活動などを行いました。
新宿御苑で派遣の仕事をしたり、千葉県立中央博物館で研究協力員という仕事をしたりしていました。業務内容は野鳥調査・自然の音や生物(主に野鳥・昆虫)の鳴き声の分析・自然観察指導・展示物制作の補助などです。環境コンサルタントのアルバイトもしていました。今は別のコンサルタント会社で魚介類やベントス(底生生物)の分析や調査をしています(自身が得意と考えているのは鳥類や昆虫ですが)。
はい、江戸川大学に入って良かったです。吉田先生のゼミやエコネットで得意分野を活かすことができたと思っています。高校時代よりも大学での生活のほうがずっと充実して楽しかったですね。大学で人生が激変しました。
当時「環境インターンシップ」という授業があり、「行徳野鳥観察舎」を紹介してもらって、そこからいろいろな縁が結ばれました。当初は単位のためだけに受講したつもりでしたが、それまで全く関心の無かった野鳥の分野にも興味を持てるようになりました。
また、授業とは別に葛西臨海公園内にある「鳥類園ウォッチングセンター」というところで野鳥調査・解説員のインターンシップも経験しました。元々接客が好きではなく、人付き合いもとても悪かったのですが、解説業務を通じていつの間にか人と接する事も楽しくなっていました。この業界に関わって性格も変わったかなと感じています。それは現在のNPOでの業務にも活きています。
行徳野鳥観察舎の仕事の一環で千葉県立中央博物館に行く機会があり、そこで博物館との縁も生まれました。大学で学んだことやエコネット愛好会での活動がストレートに活きています。
私が入っているのは「NPOさとやま」というところです。当時、当会の理事長だった恵良好敏が大学の先生方と親交があったため、大学でお会いする機会が度々あったので学生のときから知っていました。 2012年に運営会員になり、2014年からは理事をやっています。平日はコンサルタントの業務をして、主に土日にNPO活動をしています。
原則として毎月第一日曜日に自然観察会を行っています。主に4月は野草、5・12・3月は野鳥、6~8月は昆虫をテーマにする事が多いです。ちなみに今年の6月(5日)はチョウ、7月(30日)はホタルの観察。8月(20日)は「ライトトラップ」という仕掛けを設置し、光に集まる昆虫を観察します。
また流山市からの委託事業として、月に3回程度、西初石小鳥の森というところで、落ち葉の掃き掃除やゴミ拾い、草刈りなどをしています。
それから、市野谷の森は平成11年に県立公園として整備することが決定したのですが、公園計画が発表されてから15年以上経過した現在も実現には至っていません。平成26年1月に森の一部が伐採されるような事もあったため、一刻も早い県立公園化を実現させるための署名活動を昨年行い、集まった15365名分の署名簿を昨年5月15日に千葉県公園緑地課へ提出しました。
その他にも、流山市の生物多様性モニタリング調査(チョウ、植物、野鳥)への参加、市と協働で特定外来生物のアライグマの捕獲(駆除活動)をしたり、「生物多様性シンポジウム」を請け負ったりもしています。また、我孫子市で毎年秋に開催されているジャパンバードフェスティバルや毎年みどりの日におおたかの森駅前で開催されている、流山グリーンフェスティバルなどのイベントにも積極的に出展しています。
自信がないと思ったことでも興味のあることであれば積極的に挑んでみて下さい。私も入学したての時はとても消極的でしたが、興味をもったインターンシップやアルバイトを経験していくうちに活動の輪がどんどん広がっていきました。いろいろな方々や団体と繋がりをもつことが楽しくなり、そしていつしか「とりあえずまずはやってみよう」と考えるようになっていました。うまくいかなかったこともありましたが、自分の行動を後悔したことは一度もありません。少しでも興味を感じたことがあれば、ぜひ積極的に取り組んでほしいと思います。また、江戸川大学に通う学生として、ぜひとも市野谷の森の存在を知ってもらいたいですね。「流山おおたかの森」の駅名の由来になった場所です。今もオオタカが暮らしていることを伝えたいと思います。
社会学部 環境デザイン学科 2009年3月卒業
S.Y.さん
(2016年取材)