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2024.08.27

人間心理学科・山本隆一郎教授らの論文が『睡眠と環境』に掲載

社会学部人間心理学科の山本隆一郎教授(専門分野:臨床心理学、睡眠学)、野添健太講師(専門分野:臨床心理学、認知心理学、睡眠学)、西村律子准教授(専門分野:実験心理学)、浅岡章一教授(専門分野:実験心理学、睡眠学)の論文が、日本睡眠環境学会の発行する『睡眠と環境』に掲載されました。

この論文では、睡眠関連刺激に対する注意バイアス(睡眠関連刺激に情報処理資源が奪われてしまう情報処理特徴)の個人差を測定するために、認知課題を作成する上での日本語の睡眠関連語と中性語の語句リストを検討・作成しています。

睡眠関連刺激に対する注意バイアスを評価する認知課題例:ドット・プローブ課題

①コンピュータ画面に注視点が出現する。
②数百ミリ秒後に睡眠関連語(例:BED)と中性語(例:HAT)が上下に出現する。
③さらに数百ミリ秒後に記号(*)が上下のいずれかに提示され、できるだけ早く出現位置の上下判断を繰り返す。
この①~③を繰り返し、記号が提示されてからの判断入力までの時間や誤答率などを評価します。睡眠関連刺激に情報処理資源が奪われやすい方は、睡眠関連語と同位置への記号の出現には反応が速く、別の位置に記号が出現した場合は判断が遅れやすいと考えられます。

本研究では、この②の部分で使用するような睡眠関連語と中性語の語句リストを日本語コーパスやWEB調査結果などに基づいて検討・作成しています。海外ではすでに英語単語を用いた研究が行われていますが、日本語の語句リストはこれまでに作成されておらず、本研究成果が今後の認知課題を作成する際の基礎資料として活用されることが期待されます。

なお、本研究は日本学術振興会科学研究費助成事業(研究課題:21K03074)の助成を受けて行われました。