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2020.07.10

人間心理学科・福田一彦教授らの研究成果が日本睡眠学会のオフィシャルジャーナル『Sleep and Biological Rhythms』に掲載

電気を消せば、中学生は 1.5 時間も早く寝る

2018 年 9 月 6 日に北海道胆振東部を震源地とする大規模な地震が発生し、その後北海道全域で大規模な停電が起こりました。睡眠や生体リズムは、目から入る光の影響を強く受け、夜の時刻に光に暴露されることで、夜更かし朝寝坊の方向に生体リズムがずれることが知られています。また、光には覚醒効果もあるので、夜に明るい環境にいることで睡眠が妨害される事も分かっています。一方、日本は老若男女問わず極端な夜更かしで寝不足の国民である事で知られています。主著者である福田一彦教授は、地震から約 1 週間後に北海道東端の浜中町での講演を依頼されていて、その際に、停電した夜の睡眠と普段の睡眠について中学生から回答を得ました。浜中町は、震源から約 258km 離れていたので、地震の被害は皆無でしたが、全道停電の影響は受けたため 9 月 6 日の夜は住宅照明のない状態でした。調査の結果、中学生は普段よりも 1.5 時間早く眠り、翌朝の起床時刻は普段と変わらなかったことから、睡眠時間は 9 時間半となりました。この 9 時間半という睡眠時間は、米国睡眠財団や米国睡眠医学会が推奨するこの年齢の子どもの理想的な睡眠時間の長さと一致していました。日本の住宅照明は、欧米と比較して非常に明るく、白い光であることが知られています。実は、白い光の中には生体リズムに強く作用するブルーライトが多く含まれているのです。以上から、福田教授らは日本の住宅照明について見なおす必要があるのではないかと考えています。

本研究成果は、日本睡眠学会のオフィシャルジャーナルである『Sleep and Biological Rhythms』(2020 年 7 月 8 日:Published Online)に掲載されました。また、この研究は科学研究費補助金(JP18K02492)の支援を受けて行われました。

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