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体験レポート

留学を終えて

メディアコミュニケーション学部情報文化学科 M.D.さん

私は、2022年の1月からオレゴン州ポートランドに位置するポートランド州立大学に約3ヶ月間留学をした。ポートランドは自然が豊かであり、大学のキャンパスにおいて心地よく勉学に励むことができた。そこでは様々な背景をもつクラスメイトたちと交流するなかで新しい価値観を得ることができ、留学をして良かったなと思う。現地で留学生活を経験してみて、日本とは異なる実情を見ることができたのでいくつか紹介したい。

まず、ポートランドのダウンタウンを中心に発達しているMAXライトレールについてだ。24時間、短い間隔で運行している路面電車であり、ポートランドで最も便利な公共交通機関のひとつとなっている。私はMAXに乗った時に衝撃を受けたことがふたつある。ひとつは時間に正確なところ。MAXは日本の電車のように定刻通りに各駅にやってくる。乗務員への徹底した教育や市民の交通ルールへの理解がなければできないことである。また、MAXの電車が街中で交差点に侵入しようとする時に必ず青信号に変わることに気がついた。これは暗黙の了解のようにそこで暮らす人たちに周知されており、誰も不満の態度を示したりはしない。周りの人たちと協力をして時間の正確さを追い求める姿が良いなと感じた。もうひとつ私が衝撃を受けたことは、ほぼすべての駅に係員はおらず運賃は全て自己管理だということだ。たまに抜き打ちでチェックされるそうだが経験することはなかった。日本の都市部の交通システムは改札がありきちんと支払いが確認できないと乗車することはできないという常識があったので驚いた。また、駅でトラブルが起きた際にはすぐに係員は駆けつけてくれないので自分たちで解決法を探るしかない。自分のことは自分でやるという精神がアメリカにはある。そんな一面が垣間見ることができたように思う。それでも駅構内や電車内には監視カメラが設置されており、安心材料のひとつとなるだろう。日本では当たり前に思っていることでもひと度日本の外に出てみると全く異なる社会システムのあり方に気づくことができる。実際に訪れていなければ知り得なかったことだ。

次に、アメリカの大学の勉強方法についてだ。私は以前、ニュージーランドへの留学を経験しており、授業内で活発なアクティビティがたくさん取り入れられていることを実際に学びながら経験をした。ポートランド州立大学でもクラス内で多くのディスカッションやペアワークがあり、クラスメイトたちとユニークな意見交換を楽しむことができた。例えば、家族構成や時間の使い方など共通点や相違点などを知ることができた。ただ、今回の留学を通して驚いたことはその課題の多さだ。事前に予習として教科書を読み込むことはもちろん、配布された資料についての考察やワークシートの課題が多く出された。さらに、オンラインでも先生やクラスメイトたちと繋がることが必須であった。それは週末に授業で取り扱ったテーマについてチャットでディスカッションが繰り広げられるものであった。このアクティビティも評価の対象にも入っており新鮮さを感じた。このような課題への厳格さがある一方、時間には少しルーズなのかなという印象を抱いた。例えば、クラスメイトのひとりが遅れてやってきても先生は怒った態度を示すことはなかった。また、リスニングの問題である程度進行していたにも関わらず、遅刻をしてきたある生徒のために最初の問題に戻ったこともあった。小さい頃から余裕を持った行動を求められている自分にとっては少し疑問に思った。授業を担当してくださった先生は日本でも教えていた時期があったそうで、日本人は授業に遅れてくる人はほとんどいなかったとおっしゃっていた。国によって時間への意識が違うのだなと寛容なこころを持てるようになったと思う。このように日本の大学ではあまり感じることができないメソッドで学び、留学を肌で感じる生活を送ることができた。

何でも最初は慣れないことに戸惑い不安を感じることが大半であると思う。でも留学をしなかったらこのような日本とは異なる実情を知ることは難しかった。知れば知るほど視野が広がることは周知の事実。留学でお世話になった先生も留学生であるうちが異文化交流に没頭できる最大のチャンスとおっしゃっていた。私はこの意見に賛成だ。