2019.05.30
4 月 16 日(火)に情報教育研究所の特別講義が開催されました。今回の講師は、情報教育研究所の客員教授であり、茨城大学フロンティア応用原子科学研究センターセンター長、理工学研究科・研究科長特別補佐の高妻孝光先生をお招きしました。講義タイトルは「今だからこそ知りたい量子ビームのすべて~最先端技術から生活基盤技術まで~」です。
高妻先生は、放射線を例に挙げ、ただ闇雲に恐れるのではなく科学技術をきちんと知った上で判断することが重要だということを語ってくださいました。受講した学生は、「何に価値を置くかで見方が変わり、価値の多様性を知った上で自分たちの課題を見つけることが重要だ」という高妻先生のメッセージが強く心に残ったようでした。
また、高妻先生は実験で使用する大強度陽子加速器施設 J-PARC ( Japan Proton Accelerator Research Complex )の見学を約束して下さいました。そして、5 月 17 日(金)に実現しました。この施設は、原子・分子の構造観察から物質・生命の起源を探る研究や、素粒子や原子核の研究から宇宙の始まりの謎を解く研究を進める最先端の研究施設です。まず、J-PARC の概況説明を伺い、その規模の大きさに圧倒されていました。次に物質・生命科学実験施設に移動し、高妻先生よりそこで展開されている実験について教えて頂きました。学生はとても熱心に聞き入っていました。最後に、ニュートリノ実験施設の見学では、作り出したニュートリノビームを 295 km 離れた岐阜県飛騨市神岡町にあるニュートリノ検出器「スーパーカミオカンデ」で検出する実験「 T2K 実験」の説明がありました。学生は驚いた様子でした。最先端の実験施設の現場を肌で感じ、学問の奥深さを感じる貴重な経験となりました。
情報教育研究所 高妻孝光 客員教授