研究所・センター
国際交流センター
国際交流センター 講師
博士(学術)
言語を替えて創作する作家について興味があり、サミュエル・ベケットというアイルランド出身で英語でもフランス語でも作品を書いている作家について研究しています。イギリスに留学し、自分も英語という言語で論文を書く経験を通して、言語を替えた作家たちの思いのようなものは理解できた気がしています。帰国後は大学で非常勤講師として英語を教えながら、博士論文を執筆し、今に至ります。
英語やフランス語で書かれた文学作品がどのように成り立っているのかを研究します。作家の伝記的な事実をもとに作品を理解するというだけでなく、作家がどのような先行の作品から知識を得ていたのか、その作品が書かれた時の社会の状況はどのようなものだったか、その作品が他の作品とどのような関係にあるのか、ということも考えながら作品を読むことによって、文学作品を書いたり読んだりするという営みの意味を考えます。
私たちは普段テレビドラマ、映画、マンガ、アニメなどさまざまな形で物語に触れていますが、そうした作品にはその作品自体が伝えたい内容の他に、図らずも意味してしまう内容が含まれています。文学研究の方法を身につけることで、作品を様々な角度から検証し、普段気づかない意味作用を発見できることにつながります。こうした読み方を身につけるためには、自分で直接作品に当たり、隅から隅までじっくり読むという体験が欠かせません。根気良く作品に付き合うことが必要です。
サミュエル・ベケットは詩、小説、戯曲、ラジオ・テレビドラマ、映画などたくさんのジャンルにわたって書いた作家です。ベケットは第二次世界大戦後にそれまで書いていた英語でなくフランス語によって小説をいくつも書いています。私の研究はその時期の小説作品を対象として、英語からフランス語へという言語変更によってベケットの創作方法に生じた変化について考察するものです。
ベケットはフランス語で書き始める前は、英語で三人称を用いた小説を書いていますが、フランス語で書き始めてからは主に一人称の語り手を採用しています。ベケットのフランス語作品における一人称の語り手がどのような言葉によって作品を語り、他者との関係をどのように結んでいるのか、ということについて研究しています。
英語I/II/ III/ IV、Study Abroad Program (Introduction)、Academic Reading I、英語演習I/II、情報文化キャリア英語、情報文化キャリアII、TOEFL文法・語彙特講
コーヒー豆の焙煎。(自分で豆を焙煎すると、自分の好きなように味を決めることができるのでおすすめです。意外と簡単です。)
写真を撮ること。(物語の場面のような写真を撮るのが好きです。ただ、最近はあまり撮っていません。)