学部・学科
社会学部
社会学部とはいえ、人間心理学科、現代社会学科、経営社会学科の 3 つの学科があり、人文科学と社会科学の系統にまたがる専門教育を行っています。そのため、人文科学に属する、心理学、哲学、宗教学、歴史学、文化学や、社会科学に属する社会学、経済学、経営学、商学、観光学、環境学などを専門とする教員がそろっています。ここでは、各学科の柱となる主な学問分野について紹介します。
心理学は、19 世紀後半に誕生した“こころ”と“行動”のしくみを科学的・客観的に探究する学問です。古来より、こころとは何かという問いかけはありましたが、その答えは直感や主観に頼った思弁的なものであり、こころを科学の対象として取り扱うようになったのは人類の長い営みから考えるとごく最近のことであるといっても過言ではありません。心理学の研究分野は多岐に及んでおり、こころの基本的な働きのしくみを探求する「基礎心理学」、こころがどのように成長・変化するのかを研究する「発達心理学」、こころの病が生じる原因とその治療・支援方法について検討する「臨床心理学」、人と人との関わり合いに関係するこころのしくみを探る「社会心理学」などから成ります。
心理学の魅力は、その研究知見を生活や仕事に役立てることができるという点にあります。例えば、臨床心理学の学びを通して、こころの病についての正しい知識を獲得し理解を深めておくことは重要です。なぜならば、将来、自分や家族、友人がこころの病になった時に適切に対処することが可能になるからです。また、発達心理学に関する知識は、子どものこころの健全な成長を促すためのしつけや教育を行ううえで有益です。さらに、社会心理学を学ぶことによって、より良い対人関係を形成したり組織や集団に適応するための指針を導くことができます。このように、心理学を学ぶことは、こころと行動のしくみを科学的・客観的に検討する方法とその研究成果を理解するという恩恵を私たちにもたらします。
社会学とは、人と人、人と集団など、人間同士の関係について研究する学問です。人間同士の関係は、一定のパターンを持っています。人と人の力関係、コミュニケーション、しきたりや制度、法律などの関係は、意識するしないにかかわらず、私たちの毎日の行動に影響を与えています。この部分をさまざまな角度から明らかにしていくのが社会学です。
具体的な研究対象は、地域、コミュニティ、家族、都市、宗教、文化、民族問題、国家など、とても幅広いです。社会学を学ぶと、社会を見る目が変わり、視野が広がります。
研究分野はとても広いですが、社会学では社会を知るためにさまざまな調査をします。いろいろな場所に出かけ、話を聞いたり資料を集めたり、アンケートを取ったり、儀式に参加するようなこともあります。現場での調査を通じてナマの資料を集めたあと、社会学の理論を駆使して結論を導くのが社会学の魅力です。
社会学が登場したのは、歴史が大転換した 19 世紀のことです。激動の 21 世紀を見通す目を、社会学を通じて身につけましょう。
経営学は組織の効率的な運営を研究する学問です。対象となる組織は、企業をはじめ非営利組織や政府組織なども含まれます。もちろん、部活やクラスも組織に含まれます。ここで、最も代表的な組織である企業を例に考えると、企業は売上高を最大化する事が大きな目標の一つとなります。どうすれば売上高を最大化できるのか?どうすれば効率的に(つまり最小限の費用で)売上高を最大化する事ができるのか?これらの目標を達成するために、効果的な方法や要因、法則性を科学的に探求する事が、経営学そのものです。こうして見出された要因、法則性を実際の企業経営に応用・還元していくことが、経営学の学習者に対する社会的期待と言えるでしょう。
経営学を学ぶと、何の役に立つのでしょうか?経営学の紹介でも述べたように、経営学は「組織の効率的な運営を研究する学問」です。企業をはじめとする組織の運営は、様々な問題・課題に直面します。こうした問題・課題の解決策を提示するのが経営学、ということになります。例えば、職員・自分のやる気をupするためには、どうしたら良いのか?作業の役割分担をどうすればよいのか?これらの解決策は、まさに経営学の研究対象そのものです。つまり、経営学を学ぶ事は、組織運営に伴う様々な問題・課題を解決する力を身につける事、と言い換えられます。こうした実践的な応用可能性の広さは、経営学という学問の大きな魅力と言えるでしょう。