メディアコミュニケーション学部
メディアコミュニケーション学部は、メディア(媒体)とコンテンツ(情報内容)を対象に研究する学部です。マス・コミュニケーション学科、情報文化学科、こどもコミュニケーション学科の 3 つの学科で、社会科学と人文科学の両方の分野にまたがる幅広い専門教育を行っています。メディアの特性を理解し、何をどう受けとめて・何をどう発信していくかを専門分野毎に学ぶことで、幅広い視野を獲得して、具体的な提案ができる力を育成します。ここでは、各学科の柱となる主な学問分野について紹介します。
メディア学とは、メディアが社会に与える影響を、その発達過程や機能などに着目し、解明する学問です。社会学の一領域として展開されることが多く、「メディアを通じて世の中を知る」イメージが近いでしょう。そのため、メディアを効率よく使う方法を発見したり、人がメディアを使う過程で社会に現れた良い・悪い影響を整理したり、より良い社会を目指すことを目標としています。また、メディアが伝える内容や意味を読み解いていくことも、社会的影響を理解するうえで、重要な手掛かりとなります。現代社会に生きる私たちは、メディアなしに情報をやり取りすることができません。その意味で、メディア学で解明すべきことは、私たちの生活の今後に大きな影響を与えるものだといえます。
コミュニケーションは、自分と他人、自分と社会、他人と他人など、様々なヒトやモノやコトをつなぐ行為をさしています。人は、生きていく過程で、自然に何かとつながり、コミュニケーションが発生ます。そのさいに、どのようにしたら相手にわかりやすく伝わるか、その手法や問題点、そしてそのメカニズムを解明するのがコミュニケーション学です。したがって、コミュニケーション能力を身に着けたいといった個人的な観点にもまして、コミュニケーションが果たす社会的機能の探求に力点を置く学問です。「コミュニケーション」にぴたりと当てはまる日本語がないため、カタカナで表記していることも、コミュニケーション学を複雑にしていると考えられます。しかしその分、コミュニケーションするためのメディアに着目したり、コミュニケーションでやり取りされる情報に着目したり、社会学や社会心理学、情報学、記号学といった様々な学問領域からのアプローチが可能な学際的学問であるといえます。
将来メディアに関わる仕事がしたいと考えた時に、真っ先に思い付くのは、テレビ番組、映画作品、雑誌、新聞、CMやイベントがどのようにして作られるのかを教えて欲しいということではないでしょうか。制作に関わることは、1年生後期から始まる「演習実習」という授業で、しかもメディアの第一線で活躍してきた先生方から実習形式で学ぶことができます。
これにくわえて、時間をかけて、仕組みや仕掛けをどう作るか、に関わる部分です。これは社会人になっても、誰かが教えてくれることではありません。自分でつかみとっていかなくてならないものです。江戸川大学マスコミ学科では、メディア学からは考えるための方法論や理論的な解決案が提示できるような能力を、講義を通じて学ぶことができます。また、どのようにしたら相手にわかりやすく伝わるか、その手法や問題点をコミュニケーション学の講義を通じて学ぶことができます。メディアとコミュニケーションの両側面からアプローチすることで、より身近な現象を、理論的に説明できる方法論を取得することが可能になります。
外国語学とは、日本語とは別のことばを指します。日本語と比較するためには、音声による違いと文字による違いを学ぶ必要があります。音声による違いとは、日本語とは別の音声があるということです。文字による違いとは、表記される文字が漢字やカタカナの日本語とは違うということです。外国語学では、特に語句、語順、意味などに注目して、音声と文字の違いを学びます。また、違いを知ると、似ているところを発見し、一見すると違っているところも実は似ていると気付くことがあります。このような点が外国語学を学ぶ楽しさです。
初めから学びたい人や基本からしっかり学びたい人でも、外国で通じるか試したい人や外国語を使って仕事をしたい人でも、学べるのが本学の特徴です。特に、英語は基本的な内容(中学校や高等学校で学ぶ英文法など)から実践的で高度な内容(英語で自分の意見を伝えるプレゼンテーションなど)まで幅広く、多くのクラスがあります。読む、聞く、書く、話す、という学力を身につけるだけではなく、的確な発音になっているか診断するクラス、世界で英語がどのように使われているのかを学ぶクラス、自分で調べたことを英語で説明してみるクラスなどがあり、選択肢が多く、希望に沿えるように工夫しています。現在の日本では、外国人が多く見かけるようになり、言いたいことを伝えられるようにするためには、英語をはじめとした外国語を使えることが求められるようになりました。このような国際化の日本で活躍できる社会人になるための学びの場として、本学の外国語学の魅力があります。
情報社会と呼ばれる現在、私たちの生活の様々な場面にコンピュータは入り込んでいます。一見コンピュータとは関係が無いと思われがちな家電製品なども、ネットワークにつながり、複雑な処理をするようになっています。そこでは多くの情報が行き交い、今までにない付加価値を生み出し、世の中を動かしています。情報学は、私たちの生活のあらゆる場面に現れる情報を対象とする学問です。情報を調べ、集め、加工し、発信・伝達して、活用するなどのあらゆる視点から情報に関する学びを深めます。情報を収集し、それを実践的に使いこなして様々な種類の問題に取り組みます。情報を学ぶことが、新しい道を切り開く力になるのです。
情報文化学科で学ぶ情報学は、幅広いニーズに応えるバリエーションを持ち、どの分野も基礎から一つずつ積み重ねて学べるようにデザインされています。まず、あらゆる分野に共通する基礎として、情報のリテラシーや情報処理について学び、情報社会で生きる基礎力を身に付けます。情報システムコースでは、プログラミングやネットワーク、アルゴリズム等を学び、最先端技術のトピックスにも触れます。情報デザインコースでは、WebデザインやWebアプリ開発、グラフィックデザインから3DCGまで、マルチメディアを活用し情報発信する力を学びます。幅広いバリエーションの中から、自分の夢や目標に向けて授業を選択し、自分の学びを作っていきます。
「人はどのようにして成長していくのだろう。」「子どもが健やかに育つために、大人に何ができるだろうか。」これらの問いを根底に持ちながら、乳幼児期(生後すぐから小学校入学まで)を対象として探究していくのが保育学・幼児教育学です。保育学では乳幼児期全般の育ちや保育に関して扱うのに対して、幼児教育学では幼児期(おおよそ3歳から小学校入学まで)の教育的側面に焦点を当てて研究が行われます。
保育学・幼児教育学の中には、思想や歴史、保育・教育の内容や方法、子ども理解などさまざまな具体的テーマが含まれます。さらに、現代社会のニーズを反映して、子育て支援(保護者支援・家庭支援)も重要なテーマの1つとなっています。このように内容は多岐に渡りますが、すべてに共通しているのは「現在の、そして未来の子どもたちの幸せを願っている」ということです。
そのため、この分野の研究や学習では、実際の子どもや保育者の姿からかけ離れることはありません。子どもが遊びや生活を満喫する中で、自分自身の人生の主人公として育っていく姿を捉え、大人の役割をさまざまな角度から考えることが、実践の学問としての保育学・幼児教育学の基本的な視座であると言えるでしょう。
保育・幼児教育の現場に身を置くと、子どもたちの成長する姿に感動することがしばしばあります。「人が育つ」ことについて探究することを通して、生きることの素晴らしさや喜びを知るとともに、愛されることの重要さを学ぶことができます。
また、保育学・幼児教育学を学んでいると、自ずと「私はどのようにして育てられ、大きくなってきたのか」と自分自身に関心が向くようになります。それは、周囲の他者との関係を振り返りながらこれまでの自己を見つめ、これからの生き方を考える契機となります。
「人を育てる」ことを考えたり実践したりする中で、かけがいのない子どもの成長に関わることができると同時に、「自分自身が育つ」こともできるのが、保育学の大きな魅力です。