大学紹介
江戸川大学について

名誉教授

斗鬼 正一 名誉教授


新聞・テレビ記者、プロデューサーを目指して進んだ大学で文化人類学に魅了され、大学院修士、博士課程と専攻。江戸川女子短大を経て江戸川大学創設とともに着任した教員1期生。学科長、学生部長、図書館長を歴任。
講義では、ミクロネシア、香港、ニュージーランドや京都、大阪、名古屋、東京などでの現地密着型フィールドワークを通して出会った、あまりに多様、複雑な人間とその社会という不思議な存在を読み解く魅力を伝えてきた。
NHK「チコちゃんに叱られる!」、TBS「この差って何ですか?」、朝日新聞「論座」など、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ネットメディア、講演では、みんなの常識、当たり前に挑戦し、そうだったんだ!という知的発見を楽しむ「楽問のススメ」を発信している。
唯一のエスカレーター文化研究者でもあり、メディアで安全利用をめざす新たなエスカレーター文化を提唱している。

「斗鬼正一文化人類学研究室」のWebサイト



専門分野:文化人類学、都市人類学、民俗学


文化人類学は、世界諸民族、日本各地のナマの社会、生活に迫るフィールドワークを武器に、「人類最大の謎」である人間・世の中、自分を探求する学問。


専門分野の魅力・学ぶ上で大事なこと


世界を、日本を旅し、人々とその生活に出会うことから始まる行動的な学問で、しかも入り口は身近な不思議の発見、気づき。みんなの常識、当たり前を文化人類学理論で探求し、「目からウロコ」の大発見を楽しむ知的エンターテイメント。だから何といっても大事なのは知的好奇心と行動力。


研究テーマ


*香港、ソウル、クライストチャーチ、江戸・東京、大阪、京都、名古屋など大都市の文化人類学的研究
都市は、それを作った人、民族、社会を映す鏡。それゆえ、都市における自然(動物、植物等)と人、超自然(鬼、怨霊等)と人のかかわり、そして人自身の持つ動物性とのかかわりといった視点から都市を探求し、都市を作った人、民族、社会を読み解いていく。

*異文化コミュニケーションと日本人のアイデンティティー研究
飛鳥、奈良の昔から、文明開化の明治、戦後、そして現代に至るまで、日本には多様な異文化が次々と伝播し、融合してきた。食文化からエスカレーター文化まで、様々な異文化との出会いによって、どのように日本文化や日本人のアイデンティティーが作り上げられてきたのかを考察する。


最近の研究活動


*江戸・東京の文化人類学的研究
時代の先端と思える東京も、実は江戸、明治以来の歴史や異文化に動かされている。街歩きで都市空間、日常生活のいたるところに隠れている痕跡を発見し、文化人類学理論で分析し、東京という都市とそこに生きる人々の理解を目指す。

*多文化化の文化人類学的研究
人口急減、グローバル化の進展で、日本の多文化化は不可避。多文化社会の経験を欠く日本人、日本文化、日本の社会が、この荒波でどのように変わっていくのか、変えていくべきかを、多文化化の先進都市香港、ソウルなどとの比較を通して考察する。

*異文化との出会いとマナー
車内での飲食、化粧や整列乗車、エスカレーターの乗り方、そしてうがい、手洗い、咳エチケットといったマナーが、オリンピックや博覧会、旅などによる異文化との出会いやパンデミックでどのように変わってきたのか、それが日本人のアイデンティティーにどう影響したのかを考える。

*メディア、講演、出版
一般向けにはテレビ番組などでの解説、文化人類学入門書のロンセラー『目からウロコの文化人類学入門-人間探検ガイドブック』(ミネルヴァ書房)や『頭が良くなる文化人類学 人・社会・自分-人類最大の謎を探検する』(光文社新書)を出版。
子どもたちにも文化の多様性を楽しむ心を伝える『私のふつうは誰かのありえない 開幕!世界あたりまえ会議』(ワニブックス)、『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』(ソフトバンククリエイティブ)を出版。


趣味


文化人類学は未知の地、文化、人との出会い、発見、驚きから研究が始まる。だから旅=趣味=仕事で、日ごろは東京街歩き、博物館巡り、マンウオッチング、休暇は日本、世界旅。学生時代に全都道府県制覇、海外37か国。
鉄道やエスカレーターも異文化伝播の研究対象だが、実は幼時からの「鉄」で、自宅は電車、新幹線、モノレール、飛行機一望。
大好きなテレビ、新聞、ネット、そして映画鑑賞、読書なども実は人間探検の大事な手段。