江間 直美

マス・コミュニケーション学科 教授
環境マネジメント修士

江戸川大学には2011年4月に着任。大学(法学部)では「法哲学・法社会学」、大学院(社会科学研究科修士課程)では「環境経営学(環境マーケティング)」を専攻。前職は広告会社電通グループの広報・PRコンサルティング部門(電通PRコンサルティング)で、地球温暖化や人権、少子高齢化や男女雇用均等など、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)をテーマとする社会課題を解決に導く「戦略PRプランナー」として業務に従事。テレビ局や番組制作会社、新聞社や出版社などのマスコミ業界、芸能事務所や音楽事務所などのエンタメ業界、また非営利団体であるNPO・NGOの人たちと一緒に、SDGsに関わるコミュニケーション戦略を立案・実行する仕事をしていました。学生時代からのボランティア経験を含め、社会をより良い方向に変えていく主人公は、政府・自治体・企業だけではなく生活者や市民、特に学生たちなのだ、との思いが募り、その思いを一人でも多くの学生たちに伝え社会を変えていく潮流をつくりたくて大学教員になりました。

研究分野:社会言語学、日本語教育、認知科学
専門分野:パブリックリレーションズ(広報・PR)、リスクマネジメント(危機管理広報)


世の中をアッと言わせるヒット商品やムーブメントの背景には卓越したアイデアがあり、必ず商品やサービスが売れる仕組みや仕掛けが戦略的かつ計画的に設計されています。その戦略や計画にもとづき、商品やサービスの認知度を上げ消費行動のきっかけをつくる手法が、マーケティングや広告・テレビCM、イベントなどです。しかし、地球温暖化をはじめとする様々な社会課題を解決に導くには、広告などの消費行動を促す一方通行の情報伝達のみでは達成できず、必ず利害関係者(ステークホルダー)との間により良き関係を築き信頼感を醸成する双方向コミュニケーション(パブリックリレーションズ:広報・PR)やリスクマネジメント(危機管理)が必要となります。ステークホルダーから社会的合意を得ていくための対話を促し世論形成を図る双方向コミュニケーションの手法がまさにパブリックリレーションズ(広報・PR)です。その時、最も大切になるのが「言葉」です。

専門分野の魅力・学ぶ上で大事なこと


生活者や市民から信頼され社会的合意を得て世論形成を図るためには、様々な社会課題の存在を知り相手の置かれた立場を理解する必要があります。言葉は、伝統や文化、慣習や価値観などを背景に使われます。同じ言葉でも、時代や地域、社会背景などが異なれば意味も異なります。また社会課題は日本国内だけではなく世界各国・地域に存在します。社会課題を解決に導くためのメディアや双方向コミュニケーション(パブリックリレーションズ:広報・PR)を学ぶ上で大切なのは、人を騙し欺きお金儲けをする技法を学ぶことではなく、一人でも多くの人から同意や理解を得るための言葉を学ぶことです。ぜひ言葉の大切さを理解してください。

研究テーマ


パブリックリレーションズ(広報・PR)は、商品のイメージ形成や商品の販売促進のために活用されるマーケティングや広告、イベントなどのコミュニケーション手法と異なり、地球温暖化や自然破壊、貧困や飢餓、所得格差や医療格差、少子高齢化や介護・福祉、過疎や都市の一極集中など様々な社会課題の解決に活用できます。今後、お金儲けのためのコミュニケーションではなく、むしろ、持続可能なより良い社会を形成しいくための社会課題の解決に向けたパブリックリレーションズ(広報・PR)やリスクマネジメント(危機管理)が求められます。現在、社会言語学、日本語教育、認知科学などの観点から、持続可能な社会(サステナブル・ソサエティ:Sustainable Society)の構築に向けた共感や合意形成・世論形成を生むための社会言語について研究しています。

最近の研究活動


地球温暖化や介護・福祉、児童労働や性差別(LGBTQ)、いじめや誹謗中傷などの社会課題を解決に導くため、社会言語学、日本語教育、認知科学などの観点から、ソーシャルメディア(SNS)やテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで使用される言葉の特徴について調査研究活動を行っています。

(1)社会課題の共有を促す日常言語分析(オノマトペ:擬音語・擬態語、カタカナ語)
(2)社会課題に関わるメディア言語分析(マスコミ報道状況・論調分析、クチコミ分析)
(3)社会課題に関わる組織・個人の不祥事における謝罪会見の言語・構成内容分析
(4)社会課題を扱うバラエティ番組・情報番組の言語・構成内容・映像表現分析
(5)社会課題をテーマとするテレビCMの言語・構成内容・映像表現分析

担当科目


広報・PR論、広報・PR戦略論、リスクマネジメント論、イベント論、マスコミ学基礎、マスコミ学応用、マス・コミュニケーション演習G、マス・コミュニケーション実習G、マスコミ総合科目B、マスコミ総合科目C、専門ゼミナール、卒業研究

趣味・社会活動


趣味はヨットセーリング。休日は東京湾や相模湾などでクルージング(一級小型船舶免許保有)。社会活動として消防団に所属し普通救命講習を指導できる応急手当普及員として消防・防災・救急救命活動に従事。諸活動に必要な大型特殊自動車第一種免許をはじめ、小型移動式クレーン・玉掛け、車両系建設機械(整地・解体等)、高所作業車、不整地運搬車、ショベルローダー、フォークリフト、ローラーなど各種重機資格のほぼすべてを保有。チェーンソー、刈払機、丸のこ、振動工具、粉じん、ガス溶接、足場組立、低圧電気取扱、有機溶剤などの関連資格もほぼすべて保有。傷病者や介護者の安全搬送のため、普通自動車第二種運転免許や介護職員初任者資格も保有。